大分県の風力発電を考える

風力発電を考える会おおいたのブログです。

「環境影響配慮書」の読み方 (仮称)彦岳風力発電事業(津久見市~佐伯市)を例に


(仮称)彦岳風力発電事業(佐伯市津久見市の境界域)の「環境影響配慮書」が4月24日~5月28日の間、縦覧され、見ることができます。いまどき、コピーも不可なんて……

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(仮称)彦岳風力発電事業の予定地の地図

 

とりあえずぱらぱら見て、気になる地図や図表を見てみましょう。

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建設予定の風力発電機の概略図

 

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要配慮施設との位置関係

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風力発電機輸送路案

 

 

文字の部分はわかりやすくはありません。

まずは最後のほうにある結論部分の「総合的な評価」だけを読めば、この「配慮」書が何を言いたいかはわかります。

(仮称)彦岳風力発電事業環境配慮書の場合、「右に示す事項に留意することにより、重大な影響を回避または低減できる可能性が高い」と結論しています。

言い換えると「ちょっと対策をとれば大きな影響はなくなります」と言いたいわけです。

ここで一つだけ言うとすれば、調査・予測などにあたっては法令や環境省などのマニュアルに準拠していると書いているのですが、低周波音/低周波振動については、環境省は被害の実態を反映した文書をつくっていません。世界と日本の各地から報告・告発されている低周波音/低周波振動の被害については、日本の環境影響評価(環境アセスメント)手続きにおいては、まったく反映されないまま進行することを知る必要があり、意見を述べる機会をとらえて発言していく必要がある環境対策の不備がある、ということです。特に低周波振動について2.0km以上の遠くの地点での被害の訴えが多く出されています。

 

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総合評価1騒音・低周波音・影

 

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総合評価2動物

 

 

 

 

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総合評価3植物

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総合評価4生態系・景観

 

 

 


紙にプリントされた冊子の縦覧場所は以下

大分県生活環境部環境保全課(県庁別館5階)
佐伯市環境対策課、佐伯市弥生振興局

津久見市環境保全

もちろん、事業者企業のサイトでも見られます。

jwe.co.jp

ネットではインターネットエクスプローラーから純正品のacrobat readerがないと見られないし、しかもコピーしたら見られない、というセキュリティ。各種スマホからはほぼ絶望です。情報公開をできるだけしたくないのでしょうか?

ここにはりつけた画像はPCでスクリーンショットを撮ったものです。

Windows10だと。インターネットエクスプローラーは、「Windowsアクセサリ」から出してこなきゃいけなくてよだきい(面倒な)んやけど。

パソコンによっては、普段はPDFが読める類似のソフトですませてしまっているのも結構あるのだけど、これでも読めません。無料ソフトではAdobe社のサイトからダウンロードしてインストールしなきゃいけない。

わざわざ」こんな手の込んだ仕様にして、できるだけ市民に見せたくないのかと勘繰りたくもなります。

 

(仮称)彦岳風力発電事業計画段階環境配慮書についてのメモ 

ページ数は要約版のもの

p3 出力最大170,500kw 単機出力最大5,500kw 最大31基

p17 ローター直径約158m ハブ高さ121m 最大高さ200m

p20 工程計画

p21 風力発電機の輸送ルート(案)

p30 予測・評価の方法

騒音・低周波

設置予定範囲から2.0kmの範囲で0.5km間隔で必要な施設等の戸数を整理

重大な影響を実行可能な範囲で回避・低減できるかを評価

その他 風車の影 2.0km以内

騒音・低周波音の2.0kmは環境省の文書より

風力発電施設から発生する騒音等への対応について」(評価手法に関する検討会、H28年)

 p31 植物文献等資料と専門家ヒアリング 生態系文献等資料 景観文献等資料

 p32 評価方法の判断基準

 p33〜調査・予測の結果

騒音・低周波

最寄りの住宅地まで1.2km

住宅等以外で1.0km

2.0km以内の配慮が特に必要な施設は638戸、住宅等633戸住宅等以外5戸

 動物バードストライクの可能性あり

 主要な眺望点・観光資源重大な影響はない

主要な眺望景観では風力発電機が視認される可能性あり

 p36~ 2.0km以内の学校、医療機関保育所認定こども園福祉施設のリストと地図

p40 配慮の必要な施設等との位置関係(0.5km刻み)

p47〜動物への影響予測