大分県の風力発電を考える

風力発電を考える会おおいたのブログです。

環境影響評価書を読む(1) 住民とのコミュケーション、低周波音、騒音

表面上の言葉だけなら何とでも言える?

 

大分県知事意見がかなり網羅的に問題点を指摘しているので、大分県意見への大分臼杵風力発電関西電力子会社)の見解を紹介・コメントします。

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関西電力は、風力発電計画に対し、反対意見や疑問を持つ住民に対し、大分県知事意見にある通りの対応をしてきました。

環境影響評価書では、それらに誠実に対応するとしているが、言葉だけなら何とでも言える、という不遜な態度にしか見えない。関電のあからさまに強引なやり方に接してきた私たちにとっては「どの口が言うか?」という言葉です。

 

大分県知事意見では、

「住民等から、騒音及び超低周波音、景観等の環境面や土砂災害の誘発等の災害面において、事業実施を不安視する意見や反対する意見が寄せられているだけでなく、事業者からの説明が十分に行われていないとの意見も寄せられている。」

「住民等及び関係両市と積極的にコミュニケーションを図り、それぞれが抱く不安や懸念等に対して誠実に対応することで、 本事業の実施に対する理解を得られるように努めること。」

と指摘されているのに対し、

事業者(関西電力子会社)は、

「住民等及び関係両市と積極的にコミュニケーションを図り、それぞれが抱く不安や懸念等の解消に向け誠実に対応し、本事業の実施に対する理解を得られるように努めます。」

と見解を述べています。

 

騒音、超低周波音について

関電は、

「騒音及び超低周波音については、聞こえ方等に個人差がある項目であることから、施設の稼働後、 適切に環境監視を行います。 また、その結果、騒音及び超低周波音による重大な環境影響が懸念される場合には、継続的な環境監視を必要に応じて実施し、調査結果の蓄積を図る
とともに、 ホームページ等による公開に努めます。」

と「模範回答」を示しています。

地域住民に対し、騒音や低周波音について、まともな説明も、具体的な対処を表明したことがなく、ここも「言葉だけなら何とでも言える?」という疑念を禁じえません。

 

騒音については、準備書への大分県環境省の意見を踏まえて、国の経産大臣勧告では、準備書の予測で環境省指針値を超えることが指摘され、対応を求められていました。

関電は、測定データの再検討を行い、詳細を示し、結局、指針値を超えることがあることを認めています。

しかし、超えるのが1〜2デシベルとわずかであることを言い訳に、施設について追加対応をすることなく、環境監視と、問題発生時に適切に対処することを表明することでよしとしています。

ここで注意するべきは、指針値は、環境基準とは違って、法的拘束力はない、ということですが、それにしても施設への変更でなくデータの再検討ですましている、というのは驚きです。

 

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10-113(457)ページより

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